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2007年5月 7日 (月)

高次脳機能障害の認定に必要な検査3

MMSEは、簡単な質問・指示に対する回答・反応によって得点を与える検査方法で、30点満点で23点以下で痴呆と評価します。

長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は、簡単な発問に対する回答の程度に応じて得点を与える検査方法で、30点満点の20点以下で痴呆と評価します。

WAIS-Rでは、90~110は普通、80~90は普通の下、70~79は境界線、69以下は精神遅滞と判定されます。

2007年4月 6日 (金)

高次脳機能障害の認定に必要な検査2

<神経心理学検査>
 Ⅰ 知能検査
     ① MMSE
     ② 長谷川式簡易痴呆スケール(HDS-R)
     ③ WAIS-R(6~16歳はWISC-R)
 Ⅱ 記憶力検査
     ④ 三宅式記銘力検査
     ⑤ WMS-R
     ⑥ リバーミード行動記憶検査
 Ⅲ 遂行機能検査
     ⑦ BADS

2007年3月26日 (月)

高次脳機能障害の認定に必要な検査1

<画  像> ① レントゲン・CT・MRI
         ② PET・SPECT
レントゲンでは、主に骨折の有無を判断します。脳実質・脊髄に損傷が有るか否かは、主にMRIで判断します(CTも併用されます)。
PETSPECTは、脳の血流糖代謝の状況を明らかにして、脳の異常を確認するための検査です。後遺障害認定においては、脳実質に異常が存在することがCT・MRIで確認できれば十分です。CT・MRIで異常が確認できていれば、さらにPET・SPECTを行う必要はありません。
高次脳機能障害の診断では、事故直後のCT・MRIで脳挫傷・硬膜外血腫・硬膜内血腫・くも膜下血腫を把握します。また、直後と最新のCT・MRIを比較して、脳萎縮・脳室拡大の有無などを把握します。ですから、事故後、早い段階で、CT・MRIの撮影をしておくべきです。

2006年10月14日 (土)

重過失減額

 交通事故の賠償では、被害者にも過失が認められれば、その過失割合に対応する賠償金が差し引かれてしまいます。
 これに対し、自賠責保険では、被害者を手厚く救済する観点から、被害者に過失が認められる場合であっても、被害者の過失の程度が重大(7割以上)な場合に限って、減額を行うこととし、原則として、保険金が減額されないようにしています。
 なお、重過失が認められる場合であっても、減額される割合は、後遺障害・死亡の保険金で、7割以上8割未満で2割減額、8割以上9割未満で3割減額、9割以上10割未満で5割減額であり、減額される割合を低く抑えて、被害者救済という目的が徹底しています。

2006年9月 7日 (木)

時効

 自動車損害賠償保障法19条は、「自賠責保険の請求権は、2年の経過によって時効により消滅する」と定めています。政府補償事業の場合も、2年の時効が定められています(自動車損害賠償保障法75条)。
 時効期間を徒過してしまうと時効が成立し、自賠責保険金・政府補償事業の請求ができなくなってしまいます。
 時効の起算点は、症状固定日です。ですから、事故日から2年が経過していても、症状固定日から2年は経過していなければ、時効は成立していないことになります。
 何らかの事情で時効期間を徒過してしまいそうな場合には、自賠責保険の保険会社に対して、時効の承認を得る必要があります。この場合、承認を得た日から、新たに時効が進行することになります。
 なお、政府補償事業には、時効承認の制度はありません。政府補償事業を利用する場合には、必ず、症状固定日から2年以内に請求の手続をとる必要があります。

2006年8月29日 (火)

裁判2

 自賠責保険が認定した後遺障害等級が下がれば、支払う賠償金が少なくなる可能性が高まるため、保険会社にとっては望ましい結果となります。ですから、保険会社は、裁判において、自賠責保険が認定した後遺障害等級よりも軽い後遺障害等級を認定してもらうための主張・立証を行うことがあります。
 裁判所を通じて病院からカルテ画像を取り寄せ、繋がりのある医師に内容の検討を依頼して、自賠責保険の認定が不当である旨の意見書を作成させ、証拠として裁判所に提出します。調査会社(探偵)に依頼して、被害者の行動調査(尾行・ビデオ撮影)を行い、診断書との矛盾点を指摘した調査報告書を証拠として提出する場合もあります。
 意見書・報告書に対して、十分な反論ができなければ、後遺障害等級が低くなる余地を残すことになります。被害者側は、自賠責保険が認定した後遺障害等級を維持するため、的確な反論を行わなければなりません。
 医学分野の議論が必要になるため、被害者側には、文献の調査主治医への協力要請など多大な労力が必要になります。

2006年8月25日 (金)

裁判1

 裁判所は、自賠責保険の認定に拘束されず、提出された証拠に基づいて、独自に後遺障害等級を認定できます。ですから、後遺障害等級に不満を持っている場合には、裁判において、妥当と考える後遺障害等級を主張することができます。
 ただ、現実には、裁判所が、自賠責保険の認定よりも高い等級を認定する可能性は極めて低いと言わざるを得ません。裁判所は後遺障害等級に関する十分な判断能力を有していませんし、保険会社が後遺障害等級を下げるための立証活動をしてくるためです。
 ですから、訴訟による解決を視野に入れている場合であっても、訴訟を提起する前に、適切な後遺障害等級を認定してもらうための最大限の努力をしておくべきです。

2006年8月23日 (水)

自賠責保険・共済紛争処理機構

 後遺障害等級のみならず、重過失減額なども含め、自賠責保険に関する争いについて公正・中立な判断を行う第三者機関の創設の必要性が高まったため、自賠責法23条の5に基づく「指定紛争処理機関」として、自賠責保険・共済紛争処理機構が設置されました。
 自賠責保険・共済紛争処理機構は、公正中立で、専門的な知識をもっている弁護士・医師・学識経験者からなる紛争処理委員を組織し、支払内容について審査を行った上で、結論を出します。保険会社・共済組合は、この結論を遵守することになっています。
 自賠責保険に対し、異議申立を行っても認定が変わらなかった場合には、同機構に対して紛争処理の申請を行うことも検討すべきだと思います。ただ、同機構の出す結論は、自賠責保険に関する最終的な判断となり、再度の異議申立はできません。ですから、同機構の手続きを利用する際は、事前にできる限りの資料を揃えておくなど、十分な準備をしておく必要があります。

2006年8月21日 (月)

異議申立

後遺障害の認定作業が終わると、被害者に対し、結論理由が通知されます。また、後遺障害が認定された場合、被害者請求をしていれば、被害者の指定口座に、等級に応じた自賠責保険金が振り込まれます。
 ところで、必ずしも想定していた通りの後遺障害等級が認定されるとは限りません。非該当と判断されたり、想定よりも低い等級が認定されるなど、認定に不服を持つ場合も多いと思われます。この様に、自賠責保険の後遺障害認定に不服がある場合には、異議申立の手続をとることができます。異議申立の回数に制限はないので、時効が成立しない限り、納得する結論が出るまで、何度でも異議の手続が可能です。
 但し、それまでと同じ資料に基づいて異議を述べるだけでは、等級が上がる可能性は低いと思います。新たな資料を追加し、前回の認定が不当だったと認識させる必要があります。
 なお、重過失減額をされてしまった場合についても、異議申立が可能です。

2006年8月11日 (金)

被害者請求

 被害者請求とは、被害者自身が、自賠責保険会社に対して、自賠責保険金の請求手続をとることを指します。自賠責保険金は、直接、被害者に支払われます。
 被害者の中には、保険会社から治療費や休業損害の支払を打ち切られ、生活費などの不足に困っている方もおられると思います。保険会社は、このような経済的困窮につけ込み、被害者に対して、低い基準で計算した金額を提示し、示談を迫ることもあります。被害者としても、現在の経済的困窮を抜け出すために、低い金額であっても示談してしまうことがあるようです。
 この様な場合に、被害者請求を選択すれば、早期に自賠責保険金を受け取れることができ、経済的に一息つくことができます。これにより、冷静になって今後の方針を決めることが可能になります。
 私としては、事前認定ではなく、被害者請求を行うべきと考えています。

2006年8月 9日 (水)

事前認定

 加害者が加入している任意保険の損害保険会社を通じて後遺障害等級を認定してもらう方法です。任意保険会社が一括対応をしている場合に多いやり方です。
 「一括対応」とは、任意保険会社が被害者に対し、自賠責保険金を含んだ損害額を提示し、示談が成立すれば、自賠責保険金を含めた全損害額を一括して支払うことです。任意保険会社は示談金を支払った後、自賠責保険から自賠責保険金を回収します。
 「一括対応」では、被害者に対し、自賠責保険金を含んだ金額が提示されるため、多額の賠償金を支払ってもらえるかの様に感じることが多いと思います。このため、損害保険会社が提示した金額で示談に応じるケースが多いと思われます。しかし、多くの場合、任意保険会社が提示している金額は、裁判基準よりも低い基準を適用して算出したものです。このため、一括対応は、損害保険会社が支払金額を低く抑えるための手段になっています。

2006年8月 7日 (月)

後遺障害認定

 後遺障害診断書や検査データに加え、事故証明書や請求書などの必要書類を揃えることができれば、加害者が自賠責保険の契約を締結していた損害保険会社に対し、自賠責保険金の請求を行います。
 保険会社は、まず、提出された書類に不備があるか否かなどをチェックします。
 不備がなければ、自賠責保険の調査事務所に調査を依頼するなどして、後遺障害の有無・程度を調査し、後遺障害等級を認定します。調査の過程で、病院に対する調査が必要になった場合などには、被害者が同意書の作成を求められることがあります。
 調査の結果、後遺障害が認定されれば、認定された後遺障害の内容・等級が通知されます。加えて、認定された等級に応じた保険金が支払われます。

2006年8月 4日 (金)

他覚所見の重要性

 後遺障害診断書には、自覚症状と他覚所見を記載します。

 後遺障害の認定に際しては、自覚症状よりも他覚所見が重視されます。自覚症状は患者の訴えであり、作為が入り込む余地があります。これに対し、他覚所見は検査データに基づいて客観的に明らかになった症状なので、信頼性が高いのです。

 そこで、後遺障害の認定を求めるに際しては、自覚症状を詳細に記載する必要があることは勿論なのですが、自覚症状の裏付けとなる客観的な検査データを揃え、後遺障害診断書に添付して提出する必要があります。

 後遺障害の具体的な内容によって、実施すべき検査は様々ですから、如何なる検査を実施すべきかという点について、医師と十分に打ち合わせをする必要があると思います。

2006年8月 2日 (水)

後遺障害診断書1

 後遺障害部分の自賠責保険金を請求する場合、所定の後遺障害診断書を提出する必要があります。実際には、後遺障害診断書だけではなく、症状を把握するために実施している様々な検査の結果なども添付して提出することになります。
 後遺障害診断書の記載内容・添付されている検査データなどを検討した上で、後遺障害の有無・程度が認定されます。ですから、後遺障害の有無・程度を適切に認定してもらうためには、症状固定時(後遺障害診断書の作成時と一致する場合が一般的です)に残存している全ての症状について、できる限り詳細に記載してもらうことが重用です。

2006年7月31日 (月)

健康保険3

 自賠責保険の話から逸れますが、健康保険を適用する利点を、もう一つ挙げておきたいと思います。
 被害者にも過失があり、損害保険会社が既に治療費を支払っていた場合、被害者に生じた全損害額を過失割合に応じて減額した上で、その残額から、他の既払金と共に支払済みの治療費を差し引きます。但し、健康保険を適用した場合、健康保険が負担した70%部分は、過失割合による減額を行う前に損害額から差し引くため、被害者に有利になるのです。
 例えば、全損害額が1億円、損害額のうち治療費が1000万円(自己負担300万円・健康保険の負担700万円)、被害者の過失割合が30%のケースで考えてみます。健康保険を適用しない場合に受け取れる金額は6000万円です【1億円×(1-30%)-1000万円】。これに対し、健康保険を適用する場合に受け取れる金額は6210万円であり【(1億円-700万円)×(1-30%)-300万円】、210万円もの差が生じることになります。

2006年7月26日 (水)

健康保険2

 傷害部分について自賠責保険は120万円の限度額を設けています。健康保険を利用することで、この120万円の枠を有効に活用することができます。 ご存じの通り、健康保険を利用すれば、原則として実際に要した医療費の3割を負担すれば良いことになります。自賠責保険に対しては、この3割負担分のみを請求することが一般的なので、3割部分を120万円の限度まで支払ってもらえることになります。ということは、健康保険を適用することによって、実質的に400万円までの治療が受けられるようになるのです。

2006年7月24日 (月)

健康保険1

交通事故で負った怪我を治療する際にも、健康保険が適用できます。
 病院から「交通事故では健康保険が適用されず、自由診療となる」と説明を受けるケースがあるそうですが、この説明は明らかに誤りです。病院が受け取る診療報酬は点数制になっており、個別の診療ごとに点数が決まっています。その点数に単価を乗じて、診療報酬の額が決まるのです。健康保険が適用される場合には1点10円で計算するのですが、自由診療の場合には1点を20円や30円として計算する場合が多いと聞いています。つまり、患者に対して同じ治療を行った場合でも、自由診療とした方が、倍以上の収入を得られることになります。病院は、被害者の無知を利用して儲けようとしているのではないかと思います。
 病院に健康保険の適用を拒否された場合には、「役所に問い合わせてみます」と答えてください。

2006年7月20日 (木)

政府補償事業

 加害者が自賠責保険に加入していなかった場合や、ひき逃げなどで加害者が明らかにならない場合などでは、被害者は自賠責保険の請求ができません。この様な場合であっても、被害者の救済を図る観点から、自動車損害賠償保障法71条以下において、政府が自動車損害賠償保障事業を行うことを定められています。この制度のことを「政府保障事業」と呼んでいます。
 基本的に、自賠責保険とほぼ同内容の支払を受けることができます。主な相違点は、自賠責保険では、被害者に7割以上の重過失がある場合に限って一定割合の減額がなされるに過ぎないのに対し、政府保障事業では、軽度の過失があるに過ぎない場合であっても、過失割合に応じた減額がなされることです。
 請求の手続は、どの損害保険会社に行っても良いことになっています。

2006年7月18日 (火)

自賠責保険

自動車損害賠償保障法5条により、車両の保有者に対して、自賠責保険への加入が義務付けられています。
自賠責保険は、交通事故の被害者に対する最低限・第一段階の救済を確保するための制度です。傷害部分は120万円が限度とされ、後遺障害部分は認定された後遺障害等級に応じた保険金額が設定されています。傷害部分は、いつでも請求が可能です。後遺障害部分は、症状固定後に請求することになります。そして、後遺障害部分の請求を行えば、保険金額を決定する前提として、後遺障害の認定がなされるのです。

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